ポーランドの名匠クシシュトフ・キエシロフスキーが、旧約聖書の十戒をモチーフに、ワルシャワの巨大アパートに暮らす人々の人生模様を描いた全10話からなる連作ドラマ「デカローグ」の第6話。郵便局で働く19歳の少年トメクは、向かいのアパートに住む美しい女性マグダの部屋をいつも望遠鏡で覗いている。毎朝マグダに会うために牛乳配達の仕事を始めたり、偽の為替通知を送ったりと、あの手この手で彼女に近づこうとするトメクだったが……。のちに劇場用長編映画として再編集された「愛に関する短いフィルム」も製作・公開されている。当初テレビシリーズとして製作された「デカローグ」は、その質の高さから話題となり、1989年のベネチア映画祭で上映されたのち、各国で劇場公開もされた。日本では96年に劇場公開(シネカノン配給)。2021年、HDリマスター版で全10話が公開(アイ・ヴィー・シー配給)。